英国滞在記 Part.1 バスツアー編

前々から英国文学ゆかりの地を訪ねてみたいと思っていた私は、当初EdinburghからLondonまで英国を南下していくツアーに参加するつもりでいたのですが、7月上旬にも拘らず、すでにキャンセル待ちとのことでした。それでも英国行きをあきらめきれなかった私は、今回Londonを拠点とした個人旅行に切り替えて出発することにしたのです。米国やカナダに出張で行くときには一人なのですから、やってやれないことはないでしょう、と自分を励ましながら。

7泊9日の滞在の間、日帰りバスツアーに3日ほど参加したので、Part.1ではそのことを書いていきます。


★Oxford大学、Cotswolds、Stratford upon Avon, Warwick城
現地に到着して早々、2日目にVictoria Coach Stationに向かい、バスに乗り込みました。英語ツアーなのですが、乗客の国籍はバラエティに富んでいるようです。Coachって長距離バスの意味だって知ってました?最初にOxford大学のChrist Church校を見学し、Harry Potterの撮影に使われたDining Hallに入りましたが、なんとも学問の重みを感じましたね。こういうところなら責任を感じて、勉強に励みそうです。しかし、良くも悪くも古めかしいため、最近の英国の優等生は最新設備が整っている米国の大学に進学するとか。


ちょっと残念なことにCotswolds地方は車窓見学でした。かわいらしい家となだらかな丘陵に広がる農場がのどかな風景を演出しています。どこかに似てるなぁと思うと、北海道。大学生の頃、生物研究会鳥班の合宿で「いやぁ、北海道ってバンカーのないゴルフ場のようですね。」と失言してかなり先輩から叱責を喰らったことを思い出しました。ただ、こちらの風景は小麦は金色、牧草は緑、というように植えてある植物によって色合いが変化しているところが面白いのです。


そして、Stratford upon Avon到着。Shakespeareの故郷ですよね。展示を見てから、古い街並みを見に行きました。なかなか雰囲気のよいところです。


近くにある中世の城、Warwick城が最後です。城壁を上るのに、普段からオフィスのある23階まで階段を歩いてトレーニングを積んでいたのが役に立ちました。結局、何事も体力勝負だよなーと痛感。米国のPittsburgh大学でも感じたのは、古い木と石で出来ている建物って独特の臭気が立ち込めております。有機物が若干腐敗しているような匂いにも似て、ヒトが生活してきた痕跡を残しているんですよね。



★Leeds城、Canterbury大聖堂、Dover海峡
ネットで調べたところ、日本語ツアーで割引があったので、そちらに申し込んだくせに、間違えて英語バスに乗ってしまいました。しかし、そういう誤りはすぐにガイドにばれてしまい、最初の観光地、Leeds城で先に着いていたバスに乗り換えることになったのでした。
Leeds城は湖のほとりに立つ、生垣の迷路のある庭園で有名なお城です。もうちょっといたいなぁと思わせる優雅な空間でした。


ガラッと変化した客層のバスで、日本語がうまくて調子のよさそうなJames君(私は英国の色男はすべてJames Bondと呼ぶことにしている)の冗談交じりのガイドを聞きながらカンタベリーへ。ここでは皆さんFish&Chipsの昼食を取っていましたが、私は食欲があまりなく、他の女子と一緒に広場で持参したものを食べておりましたが、ものの30分もたたないうちに2件もひったくり事件があり、物騒な印象を受けました。そして、大聖堂。国王の命によって暗殺されたトーマス・ベケットの殉死した場所やお墓に灯るキャンドルが印象的でした。ステンドグラスが非常にきれいな教会です。




石灰岩の白い崖がきれいに見える場所としてはSeven Sistersが有名ですが、そちらには行きにくいので、Doverでいいだろうという私の安易な判断でしたが、海の冷気と気温の高さでガスが出ていてよく景色が見えませんでした。


帰りは渋滞に巻き込まれて、ロンドン塔近くの駅で降ろしてもらい、知り合いになった日本人女性とイタリアンの夕食を共にしました。3ヶ月も旅行を続けるようで、先に訪れたフランスでの苦労話などをいろいろと聞かせていただきました。


★Windsor城、Stonehenge、Bath
日曜日にバス旅行などに出かけるものではないですね。交通渋滞、観光地での長い待ち時間。おかげでWindsor城の名物でもあるQueen Mary's Doll's Houseを見逃しました。ショック…。英国王室のインテリアコレクションも目を見張るものがありますね。フランスの方が華やかで注目を浴びておりますが、引けを取らない素晴らしさだと思いました。


Stonehengeでは無料でオーディオガイドを貸してくれるのですが、聞いても建立の目的は謎かよ!と突っ込みを入れたくなる程度の説明です。ここはトーマス・ハーディー作「テス」が最期を迎える場所なんですよー。


Bathはとっても雰囲気のよい街で、できることなら一泊してもっとゆっくりと時間を過ごしたかったです。ローマの大浴場博物館がやたら広かったですね。しかし水は汚いので触るなというお達しが。バスクリン色でよい感じだけど。ここを急いで通り抜けて、Bathで暮らしたことのあるJane Austin Centreへ。展示を見る時間はなかったけれど、Mr. Darcyグッズを買い込んでニヤケている私なのでした。Bath最高!(Part.2へとつづく)