もういくつねると…

4月以降、今の会社にいられない確率が90%以上である現在、何かにつけて終焉が見えている愛おしさ、名残惜しさのようなものを感じる。立場上、絶対に情報を知っているはずなのに、「今年もよろしく。」とやけに丁寧に挨拶してくれる他部署の人には、シラケた心で応対しちゃうけどね。この人たちと一緒に働くのもあと何日なのか。そんな気持ちで辺りを見回す毎日。


一応、何事もなければ定年まで働きたいなと思って、人間関係の構築にも今までになく精を出した。フットサル、テニス、バドミントン。あらゆるスポーツのお誘いを断らなかったもの。
本日は「蹴り始め」ということで、フットサルの練習に参加した。打ち解けた仲間たちと話していると、この時が永遠に続くかのように錯覚してしまう。和やかな談笑の中で、なんとなく一人浮いているようで、寒い心を埋めるがごとく厚着。Tシャツ、半袖ユニフォーム、カーディガン。チーム分けは明るい色調の服を着ている軍団と黒服軍団。私が外側に羽織ったカーディガンはグレーでなんだかよく見分けがつかなかったらしい。そこに、遅れてやってきたナイスガイが「まだ汗臭くないから、これ着たら?」と水色ユニフォームを貸してくれた。やっぱりこの服装はいけてなかったか…と反省しつつ、素直に着てみる。


休憩時間に、実は私が下に紺色ユニフォームを着ていたことに気づいた彼は、「やっぱり寒くなったから、返して。」と言ってきた。かわゆす。私はさくっと脱ぎ、「ありがとう。いい匂いがした…洗剤の香りかな。」と手渡しで返却すると、「一応洗いたてだからね。」となんだか照れくさそうで、二人は見つめ合ったのだった。君に胸キュン。


☆多分に脚色されているので、適当に割り引いてお読み下さい。(笑)