中国珍道中 〜価値観のコンフリクト・・・歩み寄り不可能〜

母と二人で、深圳・香港・マカオの4日間のツアーに参加してまいりました。香港・マカオは中国に返還されたとはいえ、それぞれ出入国手続きが必要になります。そのため、カード記入で忙しい旅行となりました。
まずは日本から5時間強で広州の空港に到着。バスで経済特区深圳へと向かいます。ここでは中国の名所のミニチュア版を集めた「錦繍中華ミニチャイナ」を見学しました。東武ワールドスクエアみたいなものでしょうか。(行ったことないですけど。)

万里の長城。ミニチュアでも2キロに渡って作ったそうです、レンガを積み上げて。
お隣りの中国民族文化村では漢民族以外の少数民族の文化を展示している集落があり、女系のモーソー族の村を訪れました。夜は華々しい「竜と鳳凰の踊り」というパフォーマンスを満喫し、香港へと電車で移動。
2日目は朝から外のレストランであわび粥と点心をいただきました。毎食中華のシメが焼きそばとチャーハンでヘビーです。ちなみに香港の奥様はフィリピン人のメイドを雇うので家事をしなくてよいと聞きました。しかも、仕事をしている人は朝はぎりぎりまで家で寝ていて、朝食は外で食べるのが普通らしく、夜は遅くまで夜遊び。一瞬、香港に嫁に行こうかと考えてしまいました。しかし、家賃が高くて大変みたいですね。香港に勤務する人でも、深圳から通っている人が多いという話。
香港島に渡り、レパルス・ベイを見物し、隣のお寺にお参り。


この魚の口の中にコインが入ると願いが叶うというので、私も10円玉で挑戦し、3回目でようやく中にとどまらせることができました!近くの日本人旅行者の賞賛をいただき、ちょっと照れたところで、同じツアーのおじさま曰く、「君はNBAの選手だもんな。」ど、どうせデカいですよ。
その後は文武廟ペニンシュラホテルのアーケード、宝石店、漢方薬のお店などに立ち寄りましたが、母の買い物には付き合いきれず、適当に放置。本当に買う気があるのかないんだかよく分からないのですが、じっくり納得がいくまで観察して、店員さんと交渉しているんですよねぇ、気づくといつも。

夜は香港島の高いビルの壁に灯りが灯されるショーを山と船上から見物し、夜景を楽しみました。個人的に香港においては、寺見物はそこそこでいいので、スイーツなどを堪能したいものだと思いました。香港の雰囲気はとても気に入りました。ガイドのクララさんもまるでジャッキー・チェンの映画に出てくるアクション女優のように美人でかっこよかったですし。「宝石は私の命です!」との名言にますます惚れてしまいました。

3日目はマカオへ。高速船に1時間ほど乗ると到着します。最初に媽閣廟へ。旧正月ということもあり、爆竹をバンバン派手に鳴らしていました。(↓音注意)

その後はバンジージャンプなどにも挑戦できるマカオタワーへ。

カジノにも行きましたが、スロットマシンがずらっと並んだゲームセンターみたいなものじゃん?という感想。ポルトガル領時代の名残のある建築として、世界遺産の聖ポール天主堂。

このあたり、ヨーロッパの雰囲気が出ていて素敵。名物エッグタルトも味わい、ご機嫌に。その後はセナド広場を適当にうろついて夕食。夜は外出せず、なんと部屋で仕事復帰の準備をしていた殊勝なワタクシなのでした。母が遊びに行ってくると言ったので、一人になりたかったのかも。


4日目は船で中国に入国し、広州空港へと移動して帰路に着いたのでした。中国人のガイドさんは日本語はうまいし、頭の回転は速いしで、かなりレベルが高い方たちでした。早口なのはなぜか、との説明に「中国語は敬語もないので、文が短い。そのため、日本語で丁寧に長々と表現している途中で、思考は先に進んでしまっているので、間に合わせるために早くしゃべる」のだと。これは面白い視点だなぁと思いました。言語が思考スピードに影響するのだと。早いほうが有利なのでしょうか?

この旅行中、母の発言や行動を観察する時間がたっぷりあったのですが、昔はもうちょっと他人の目を気にする人だったのに、すっかりおばさん化してしまい、その傍若無人ぶりに驚きました。旅行ってそもそも非日常を味わうためにするものだと思うので、日本並のクオリティを要求するなら、家にいればいいと思うのです。野菜が盛り沢山にでてくれば、「このお野菜、大丈夫なのかしらねぇ?」とか、ガイドさんにおみやげに勧められた甘栗チョコレートを見れば、「これって中国産なの?」当たり前でしょうが。
外で働いている女性は、常に他者から厳しい評価の目にさらされており、自分の相対的な位置をわきまえていると思うんですよね。自分の発言が相手にどのような影響を与えるかということを考えずに、言いたい放題は言えないわけですよ。しかも、母が基本的に言っているのは文句ともつかぬネガコメばっかり。私は2日目の晩に母に対し、他の人が旅行を楽しもうとしているときにネガティブな感想ばかり言うのはいかがなものか?とご忠言申し上げた次第ですが、「みんなだって言ってるじゃ〜ん。」でハイ、終了。後日もいろいろあって立腹した私に対し、「ヒステリー!」とのたまいましたからね。私自身、効率や論理を優先することに慣れてしまい、少し男性寄りの価値観に傾いているのに気づかされましたが、それでも自分の美意識に合致しないものには妥協できない!と思うのでした。肉親であるだけに遠慮がなく、一番分かり合えないのが親子なのかもしれないです。それでもどうにかこうにかやっていきますけどね。