念願叶って小笠原伯爵邸でランチ

もう5年近くもこの辺りを行ったり来たりしながら、店の中までは入ってみることのなかった小笠原伯爵邸。今年こそは実行しようと、1月辺りから友人達には「しっかり貯金しといてね☆」と根回しをしつつ、準備をすすめてきたのでした。

若松河田駅から程近くに位置する、この西洋風の建物は、1927年に小笠原家30代当主長幹氏の本邸として完成いたしました。もとは20000坪あったそうですが、現在の敷地は1000坪ほどです。休日は結婚式の披露宴会場としても利用されている素敵なレストラン。(ミシュランにも載っています!)予約は1ヶ月前から出来るので、気合を入れて電話してくださいね。
http://www.ogasawaratei.com/
クロークにコートを預けると、廊下をまっすぐに歩いた奥にある大きな部屋に案内されます。11:30ではまだお客さんも少なく、近くの壁にずらっと並んだ給仕の方たちが妙なプレッシャーを感じさせます。まだここの雰囲気に打ち解けないわん…と思っているそばから一品目。「世界の香りの薄片バケット&フレッシュチーズと赤ピーマンのエスカリバーダのクレマ」。

チーズクリームがとても濃厚だけど軽やかさもあっておいしい。世界の香りは??そんなに良くもないみたい。とかく現実は世知辛いですからね。

なんて味わっていると、豚の足がやってきました。メニューには含まれていないけど、アラカルトでハムを出してくださるとのこと。景気よく注文いたしますよ、せっかくですもの。

2品目はなにやら緑色のスープのようなものが運ばれてきました。「えんどう豆 海の思い出 スモークしたにら パセリのアロマ」。泡をよくかき混ぜて柔らかな貝へとたどりつくのです。

パクパク食べ進めると、にんにくの香りが近づいてきました。3品目「焦がしにんにくのコンソメ しま海老添え」です。にんにくって匂いが気になりますけど、おいしいんですよねー、コンソメ味とよく合っておりました。

メニューだけ見ると、どこがスペイン料理なの?と疑問に思うかもしれませんが、魚介類をふんだんに取り入れているのが一つの特徴ではないでしょうか。「厳選した鯖のコンフィと白いんげん豆 澄んだ鯖のお出汁と共に」4品目です。鯖の出汁がもともとの鯖と全く違和感なくからんでいるし、豆にも浸透していてよい感じなんです。

この辺りになると、途中で出されたパンがおいしくて、人より先に食べ終えてしまったので、満腹感を覚え始めました。5品目は「帆立貝とイディアサバルチーズのアロスクレモッソ」。リゾットです。

例の不良外人に困らされた話を友人達に聞いてもらっているうちに、一人だけ料理を食べるのが遅くなっていたのですが、このへんで追いつきました。

鮟鱇って鍋でしか食べたことないよーと思っていたら、鉄板焼きになって出てまいりました。6品目「鮟鱇のプランチャドライトマトとポテトのコンフィ 甲殻類のオイル」。何を隠そう、私はこの料理に本日のベストディッシュ賞を贈りたいと思います。塩味でシンプルでしたが、鮟鱇のプリプリ感と身に線維が走っている様子を鍋のときよりも鮮烈に味わえて素晴らしいと思います。

ここまで魚介でやってまいりましたが、本日のメイン。スペイン特産のお肉と言えば…?そう、イベリコ豚ですよね。7品目「イベリコ豚の頬肉 なすの繊細なピューレ 花梨のクーリー 小玉葱の赤ワイン風味」。フルーティーなよい香りは花梨からくるものだったのですね。これまで割と淡白だったので、肉でしめる作戦も見事です。他の皆様はこちらの料理をお気に召したようです。頬肉って好きです〜。

8〜10品目まではデザートになります。「ラタフィア酒に浸した苺と柑橘の調和」。苺が温かくて、シャーベットが冷たいので、その対比が面白く感じられます。

サフランとカフェの甘い試み」。サフランのムースって不思議な後味なのですが、これがコーヒーと合うとのことで。ちょっぴり半信半疑でしたけれども。

「小菓子」はプチマドレーヌと生チョコでした。おいしいコーヒーを飲みながら、話したこと言えば、男性の「香り」について。と書くと、まるで男性用フレグランスについて語っていたようですが、実体は加齢臭だったりして。近頃席替えがあった方たちは急激な環境の変化に本当に困っているようです。しかし家族でもない限り、指摘しにくいですよね、これは。

乙女の小部屋みたいな化粧室を見物した後、中庭を少しお散歩しました。

いろいろあってめげそうな2月末でしたが、おいしい料理を皆様と楽しめたことが励みになりました。また、グルメの会を開催しましょう。