宇宙規模で考える 〜Think Spatially?〜

モントリオール出張ということで、仏語の勉強をしだしたKです。(まず、英語でしょ!というツッコミはおいといて。)

美術鑑賞サークルの方に「宇宙へ」という映画の割引チケットをいただいたので、早速見てまいりました。レイトショーにも関わらず、結構観客がいて、宇宙に興味のある人って意外と多いんだなぁと思いました。内容はこれまでのNASAの宇宙開発の歴史をBBCがまとめたドキュメンタリー。時系列に話が進んでいくので、途中、間延びした感じもありますが、普通では見られない貴重映像がたくさんあります。私が最も驚いたのは、60年代にアメリカが行ったロケット開発への投資ですね。いったい何基作って、いくら使ったのか?旧ソ連との対決を「宇宙開発」で行っていたとは言え、信じられないほど莫大な国家予算がつぎ込まれたことは間違いありません。とりあえず、その頃は月に人類が降り立つことを目標にしていたようなので、その大目的が達成された後は、開発のペースが落ちたようです。それが原因かどうかは分かりませんが、1986年にチャレンジャー号の打ち上げ時の悲劇、2003年のコロンビア号の帰還時の空中分解など、比較的最近の悲惨な事故と、失敗が明るみになりつつあるときの指令本部の重苦しい雰囲気の映像を見て、有人宇宙探査はもう必要ないんじゃないかと思ってしまいました。危険なことはロボットなどに任せたらよいではありませんか?確かに暗黒の宇宙空間を漂う飛行士の頼りない遊泳の様子と背景の青く丸い地球を見たら、人類もなかなか頑張っているじゃないかと勇気づけられましたが、同じパフォーマンスをまた行う必要はないですし。地球が住みにくくなったら宇宙へ、という発想も現実的ではないですよね。宇宙を探索する必要性は感じるけど、現在、わざわざ危険を冒してまで、人間が行かなくても…というのが、閉所恐怖症で、一度も宇宙に行きたいと思ったことがない私の感想です。
この映画は、優秀なNASAにお勤めの人たちの叡智を結集させて進化させていくテクノロジーへのpositiveな賞賛、暗い宇宙の中、太陽に照らされて青く光る地球から容易に推測されるちっぽけな自分の存在を再認識するという2点において、大変に気分が高揚いたします。もう、私の婚活がうまくいこうがいくまいが、宇宙には何の影響ももたらさないぜ!これからは少々のことにはこだわらない、宇宙規模のマインドで生きていくぜ!とやたら気が大きくなるのですが、エンディングの日本語ソングにそんな決心もへなへなになるのでした。(あれはダメやろう…。宮迫氏のナレーションは問題ないが。)