Make an excuse.


まぁ私が申し開きをする前に、前菜でも召し上がれ。

えーと、明日は某部会で合格祝賀会がありますよね。私、調子に乗って「喜びの舞」を踊ると自ら申しました。本当に披露する気はあったのです、EXILEの「Choo Choo Train」。しかし、フリを覚える間もなく、日曜から海外出張決定。しかも、補正予算によるところが大きいFY2009の売り上げを称えられ、「Success in Japan」という題でいかにも我々が鋭意努力しているからですよねーみたいなアピールプレゼンを30分もやるはめになりました。おかげさまで英語漬けの日々を送らせていただいております。私から訳もなく英単語の多いメールが来るなぁと感じているあなた!ラブレターだと思って下さい。(笑)今では夢さえも英語でみますよ。


1-3月は納品続きで本当に出張ばかりでした。観光して気になった場所はあらためて別の記事にてご紹介いたします。仕事に忙殺されて、ふと気づけば、自分の手元に残ったものはかかとの壊れた靴が二足だけ。侘しいではありませんか。近所の戸山公園の桜を一人でチャリに乗って見に行く?イヤやなぁ。誰か、花見に誘って下さらないかしら?と私にしては他力本願なことを願っていたら、女神様が新宿御苑での宴にお誘い下さいました。大物政治家の息子さんやらクリエイターなどいろんな人がいらっしゃって、刺激的でした。しかし、どちらかというと文系の方が多い中で、世知に長けていれば、そりゃあ普段の生活では得することもあるだろうけど、なんだか私の世界観て人間が中心になっていないんだよなぁと違和感を覚えました。事実とか自然法則に触れていることが楽しくて価値のあることに思えてしまいます。仕事でも、お客さんがオリジナルのサンプルを準備していて、どんなデータが出るんだろうと待っている時がいいのです。少し意外性のある結果が出たときが一番面白いですけど。定年までの道のりを考えてしまうこの頃です。

連想と共感でダラダラ書く日記

私は美しいものが好きだ。イヤな事があっても美術展に出かけたり、お気に入りの画集を眺めていると、心が慰められる。しかし、美術鑑賞サークルに属しているのに、その話をあまり書かないのは、主にサークルの掲示板に感想を書くことにしていることと、もともと作者が「絵画」で表現したものを、わざわざ言葉で表現し直すのが難しいからである。しかも、教養が不足しているので、作者の意図を正確に理解しているかどうかも怪しい。先日は「レンピッカ展」の企画があり、レンピッカというアーティストを全く知らなかったのだけど、「緑の服の女」のポスターに惹かれ、見に行ってきた。

レンピッカ展  http://www.ntv.co.jp/lempicka/index.html

キュビズムの影響を受け、妙に人の顔が面で構成されているような初期の作風から、数々の魅力的な女性を描いた最盛期の作品への変化。顔の表情はなだらかな曲面で表されているのに、そのほかの部分がやはり一枚の布で表現されたような面で描かれているので、かなりインパクトがある。「緑の服の女」の巻き髪を見て、蛋白質のモチーフ構造を模式的に表したα-helixっぽい…と感じてしまう私はバイオと芸術の融合を夢見る日々を送っている。

さて、文化村に来たついでに映画でも見ようか、と上映作品をチェックすると、少々気になっていた「ニューヨーク、アイラブユー」の最終回に間に合いそうだった。映画のはじめにはBunkamura自体のCMが流れる。

Bunkamura ドゥマゴ文学賞受賞 「ドーン」平野啓一郎

ドーン (100周年書き下ろし)

ドーン (100周年書き下ろし)

そういえば、この本、なんだか読みにくくて途中までしか読んでなかったよ…。そんなことを思い出しながら、こじゃれたNYで織り成される人間模様を鑑賞した。悪くはないけど、これより「時をかける少女」の方が感動するので、乙女の皆様にはお薦め。


翌日、早速「ドーン」の世界に浸ってみた。火星に向かう宇宙船の中で精神不安定になり、妄想をわめき散らす飛行士、妊娠してしまう女性飛行士・・・とストーリーはなんだかスキャンダラスなのだが、自分が注目している人が街で何をしているのか、画像を検索できる「散影」というサービス、一人の人間の中に他者との関係で個別に形成されるdivisualな自分「分人―ディヴ」というアイディアは面白かった。
しかし、現在の自分の状況と似ているということで、不思議と目にとまった文章は次の部分だ。

気にしたつもりもなかったクルーの言動が、意外なしつこさで記憶にこびりついているのを目にして、自分が傷ついていたことを初めて知った。


将来についての話をしているときだった。しかし、その日は特にそういう話をするつもりはなかった。基本的に自分のことは自分で考えて決めることで、独立心旺盛な私としては、他の人にとやかく言われたくないのだ。
結果として、時間を置いて、私は友人に言われたことにひどく立腹してしまった。少しのことならムッとしても聞き流せる。ただ、ガンだって単一遺伝子の変異で起こるものではない。複数の遺伝子の変異が蓄積されて発症するのだ。そのときも幾つかのポイントが重なってしまったのである。

・今日はしない(と予告した)つもりの話を話題にされた
・自分だけに決定権のあることなので、口をはさんでほしくなかった
・自分が挑戦する方向でなく、妥協する方向での転身を勧められた
・私のための助言の体裁を取りながら、その人の希望を押しつけられただけだった


特に3番めの発言は堪えた。少しでも成長したいと思って取り組んできた長年の努力を全否定された気がした。あなたには才能がないんだから、そんなにこだわってどうするの?と言われたのも同然だった。しかも何の悪気もなく。他人の認識なんて、所詮こんなものなのかもしれない。でも、私をこんなに傷つけておきながら、その自覚が全くないなんて許せない!と落ち込んだ気持ちは怒りへと変化し、抗議行動に出たのであった。


人生の目的は「自由になること」だと、森博嗣先生は書いている。

自由をつくる 自在に生きる (集英社新書)

自由をつくる 自在に生きる (集英社新書)

私は自由を脅かす気配には敏感だ。いたるところで無邪気に、あるいは確信犯的に自分を支配しようとする他者の介入を巧妙に避けなければならない。
人生は人間同士の欲望がぶつかり合う戦場なのだ。

レベルを高く保つということ

先日、会社で購読している「細胞工学」という専門誌を読んでいたら、エッセイのコーナーにPCRの説明がありました。PCRと言ってもDNAを増幅するポリメラーゼ チェーン リアクションのことではありません。「パー チェーン リアクション」の略で、アホは感染するということを言いたかったようですね。その研究者曰く、どんなに賢い学生もアホな学生2人に囲まれると、たちまちアホになると。人間は安きに流れがちですから、という説明でした。


確かに、周囲の環境から期待されるレベルが低いと、これぐらいでいいやとなりがちです。ですから、なるべく研究室配属では優秀な人が集まるところで切磋琢磨したほうがよいと助言されます。私の会社の親会社も名門だけあって、入社したての頃は野心に燃える優秀な面々が集まっていたはずなのに、終身雇用の悪影響がモロに出てしまい、保身のためリスクを避け、他の人に判断を任せ続けた結果、50の声を聞く頃には一部の方々の思考能力はゼロに。環境が変化しない場合にもPCRは起こってしまうようです。そして、またもや余談ですが、男女の仲というのも気持ちのレベルが低い方に規定されるようです。どんなに好きでも、相手が「友達」だと思っていれば、二人は友達になります。


私は仕事柄、全国各地の研究機関に出向いておりますが、ごくまれに「こんな田舎(と言っては失礼ですが…)にこのような逸材がいらっしゃるとは。」と驚くことがあります。研究者ではなく、秘書さんだったりしますが、訪問者に対しての並々ならぬ心配りには感嘆いたします。その研究所の雰囲気はいたってのどかなのですが、それに流されずに、自分なりに高い基準を設けて、守り続ける。誰に求められているわけではないけど、そうすることがご自分の美学なのでしょう。心からの歓迎の笑顔の裏に、そういう緊張が垣間見える瞬間があります。そのときに、私は「なんてデキる人なんだ。私も見習いたい!」と速攻で弟子入りしたい気持ちを抑え、感謝の念だけをお伝えして、現場を去るのです。

おかげさまで合格いたしました!

本日、技術士国家試験の合格発表があり、なんとか無事合格することができました。
平成15年度に1次試験に合格して以来、業績づくりや研鑽に励み、去年ようやく2次試験を受験いたしました。このようなよい結果につながり、ほっと胸をなでおろすと同時に、何か新しいこと、価値あることに挑戦したいなぁという気持ちが盛り上がりつつあります。


いろいろとご親切に情報を提供していただきました、技術士の先輩方、誠にありがとうございました。4月の即位の礼では喜びの舞を披露したいと思います。イメージとしては次を参照して下さい。

EXILEとは似ても似つかぬドタバタな踊りに乞うご期待!あきらめた場合はPerfumeになります。(笑)



それでは最後に一言。

勉強なんて特に必要なかったわ。髪の毛さらさら〜


なんて口が裂けても申せませんが、たくぼさんのリクエストにお答えしてみました。



まだまだ未熟な私ではありますが、今後ともご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

三角関係こそが恋愛だ 〜こころ後編〜

あはれ、二月も終はりぬ。私としてはやる気のどん底だった去年の今頃を思い出すと、現在のほうが断然充実していることを八百万の神に感謝したくなる。たとえ足裏にステロイド剤の注射を打たれても、だ。オリンピック選手並の運動をしているわけでもないのに、歩くだけでも痛む右足。以前から足底腱膜炎気味ではあったのだが、ますます悪化傾向に。検査のために撮影した、エックス線写真で見る足の骨の美しさには惚れ惚れしてしまったが、「エックス作業主任者」の資格をもとに、今度は自分で動物の骨格の画像を撮って、医学と芸術の融合を目指すのだ〜〜!(その前に足底腱膜炎に詳しいどなたかの御助言求む。)



本題。今回はこころの「先生と遺書」の部分。いつものように、いろいろと興味深い意見や質問が出た。
Q.先生はどういう方法で自らの命を絶ったか。
妻には血の色を見せないで死ぬ積り、とあるのでKのように刃物を使わないことは確か。私と出会った鎌倉の海で溺死すると、事故にも見せかけることができるし、物語のはじめと終わりの場面が一致するので、うまくまとまるようだ。

Q.私と奥さんは先生の死後、なぜ結婚すると考えられるのか。
この小説にはいくつかの反復が出てくる。叔父に裏切られた先生がKを裏切る。先生が好意を抱いたお嬢さんをKが好きになる。中核にある人間関係では、奥さんを頂点に次のような反復が予測可能である。よって、私が奥さんと結婚するのも考えられないことではない。


Q.こころの同性愛的人間関係の側面はどこに現れているか。
男同士の血のかけ合い。命の継承とでもいうべきか。

私は今自分で自分の心臓を破って、その血をあなたの顔に浴せかけようとしているのです。
私の鼓動が停った時、あなたの胸に新しい命が宿る事が出来るなら満足です。

このように先生は書き残し、自分がKから浴せられた血を今度は私に受け渡していくのである。こころはどこにあるのか?が話題になったとき、私はそんなの脳に決まってるよ〜、心臓だなんて!?これだから文系の人は…と思っていたが、命を懸けた想い=こころと考えるならば、命の象徴としての「心臓」と答えても納得はいくかな。しかし、不気味なほど深遠なる作品であることよ。読むのが辛いね。



現代思想においては「欲望とは、他人の欲望である」と考えられ、漱石が描いた三角関係恋愛模様があらためて注目されているそうだ。Kが価値を認めるから、先生はますますお嬢さんが好きになる。恋愛は当事者同士だけではなかなか維持したり、盛り上げるのが難しいのかもしれない。適度に他者をも巻き込みながら、皆様には恋愛を楽しんでいただきたく思う。(正直なところ、そんな高度な技が使えない私としては、引き篭もるばかりであるよ。)

おふたりさま偽装サービス?

この4日間を連休として過ごした私ですが、2回ほど不思議なことがあったのでご報告します。

サークルのうら若き女子から、箱根には素敵な美術館がたくさんあるんだぜぃと耳寄り情報をお聞きし、美術と温泉にまみれた旅行計画を立てたのでした。まずは芦ノ湖から攻めるか、と関所→成川美術館箱根神社…と寝坊はさておき、順調に旅程をこなしていたのですが、小田急「山のホテル」のところで、この辺にバス停はないでしょうかと聞いたならば、湖尻方面行きのバスなんて見たことないですよ〜、との駐車場整理のおじさんのお答え。私がどうしようか?と迷っていると強羅行きのバスは去ってしまった。あー強羅からも大涌谷に行けたのにぃ!と気づくのも遅く、嘆く間もなくSecond-Bestであるチョイスを脳内コンピュータに計算させる。ピーピッピッピッ。ピピーン。はい、答えが出ました。バスは国道1号線を通るらしいということで、成川美術館の前まで引き返します。途中、元箱根港からフェリーで湖尻に行くという手があるのでは、と閃いたのですが、またしても私の前を本日最終の客船が出港して行きました。箱根の夜は早いのよ。もう、こうなったら大人しく宿に行けばいいんでしょ、とりあえずユネッサンに寄って夕食を取ることにしました。まぁまぁな感じのイタリアンレストランに入るとき、1人であることを確認されたというのに、なぜか2人分の水とお手拭が用意される。間違ってるのかなぁ?でもオーダーのときにも一度も「お連れ様は?」と聞かれなかったんですけどね。そして、間違いに気づき、途中でそれらが下げられるということもない。ふ・し・ぎ。


2日目は宿を早く出て、ユネッサン園内を経由してバス停に行くはずが、時間が早いものでドアが閉まっておりショートカットができない!遠回りになる駐車場の雪の上を韋駄天のように駆け、あるバス停にたどり着くのだが、目的地ではない。どうやら一つ先のバス停まで来てしまったようだ。えーっと思いながら今度は坂道を登っていくと、乗りたかったバスが目の前を通り過ぎてゆく。こんなときほど一人旅の切なさを感じることはありません。ようやく小湧園のバス停に着くと、なんだか嬉しそうに一人でニヤニヤしているお嬢さんがいました。手に持っている本は「東京食玩○○○…」という見慣れない題名で、なんかマニアックで変わってそうだから、ちょっと距離を置くことにしました。小田原行きのバスを2本ほど見送った後、彼女は私に英語を話せるか、と聞いてきました。まぁ、ちょっとなら…。箱根彫刻の森美術館に行きたいんだけど、あのバスじゃないよね?という確認で、違うよと教えてあげました。数分後別のバスに乗り込んだあと、どこから来たの、中国?台湾?と聞くとHong-Kongということで、あー君のスマイルはアグネス・チャン以来の伝統なんだね〜、なんだか納得と思い、I see.と。その割に彼女は降りるバス停を把握していなかったので、一応面倒は見てあげたとさ。内装が超素敵なラリック美術館→星の王子様ミュージアム→ポーラ美術館と制覇して、今日こそ大涌谷に行くわよ!と強羅からケーブル、ロープウェーと乗り継ぎ、やってまいりました。ここの名物は1個食べると寿命が7年延びると言われている、黒い温泉ゆでたまご。やっぱり気分出して茹でたてを現地で食べなきゃ!ともぐもぐしていると、韓国人カップルのイケメン男性に笑われた。なんだよ〜、あなたのお国のTVドラマではサウナに行くと、よくゆで卵食べてるシーンあるじゃん!と反論したくもなったが、「世間から隠れて生きよ」との犬儒派の教えを守る私としては沈黙を守るべし。最寄り駅を通るバスがまだしばらく来ないことを発見し、しょうがない、雪の中待っているだけじゃ寒いから、走るか〜と宿まで1キロちょっとの道をランニングするのでありました。前の晩、植村直己著「青春を山に賭けて」を読み、悲惨な状況でも登頂をめざす精神力を見習おうとしていたので、ちょうどよかった。(笑)




3日目はやってしまった。おひとりさまが得意な人でも少しひるみがちな項目があるかと思います。そう、一人ユネッサン。こりゃあ、やっちまったね。おまけに雪が降っているっちゅうのに子供に混じって屋外滑り台「ロデオマウンテン」にも挑戦しちゃったからね。もう思い残すことはないというものです。(笑)私のお気に入りは「本格コーヒー風呂」です。その後は宮ノ下に行って、名物「元祖あじ丼」を味わう。おいしい〜。

しかも、ちょっと覗きに行った富士屋ホテルでもバレンタイン特別メニューのスイーツをいただきました。

この寒さにやられてしまったのか、ホテル前の池で立派な錦鯉がお亡くなりになられていたのはなんとも寒々しい思いがいたしました。それから、ホテル内に漂うハーブだかヒノキの香りがきつく、ちょっといただけない感じでしたね。その後はちんたら走ってはやたら停車する登山電車で箱根湯本駅に戻り、買い物三昧。(写真は寄木細工のお雛様。なかなかシックでしょ!)

ロマンスカーに乗って、一路新宿へ。

そして本日はTVでオリンピック女子モーグル決勝を見ていたんですが、上村選手メダル獲得ならず、残念でした。3位の米国選手が滑り終わった後、やたらフォー!と騒いでいましたが、こういうふうにはしゃげる人はストレスたまらないんじゃないか、と。これまでの辛さを忘れることができる人は新たな挑戦ができる、それが強さの秘訣じゃないかな。ヤンキー姉ちゃん、強し。愛ちゃんも泣いてばかりいないで、あっけらかんと明るく生きよう!

放送終了後は新宿の本屋に出かけ、前から気になっている本をいろいろと買い漁っていたのですが、喫茶店でゆっくり買ったばかりの本でも読もうとしたならば、またもや2つ水のコップが運ばれてくるのです。バレンタインデーに一人だと空しいから店側の心配りですか?頼んでないんだけど〜。

この新手のサービスがバレンタインゆえなのか、女性お一人様向けなのか、他のおひとりさまからのレポート、お待ちしております。

覚悟を持って生きる、ということ

珍しいところに行ってきました。中曽根康弘氏の旧別荘「日の出山荘」です。

レーガン大統領とのマル秘対談が行われたという古民家。特に調度品がすごい!というようなこともなく、まっすぐに伸びる目の前の杉林が目と心を癒してくれる片田舎に、いくら日本の伝統的な茅葺き民家カフェが流行っていたとしても、現代っ子だったら絶対に行かないに違いない…(オバマ大統領は行かないですよ、おそらく。)と、確信いたしました。

中曽根元首相には群馬県出身の政治家として、両親の話題に上ることも多かったため、親しみはあります。しかし、いくら高い理想の実現を目指しても、正義感だけではダメで、清濁併せ呑む覚悟と力量が必要なんだろうな、と壁一面の記念写真での総理のきりっとした表情を見ながら考えていました。
自分にとってそれは何か。それを決めた後の責任が恐ろしくて、「自分探し」や「自分磨き」の名目のもと、やたらめったらいろんなことに手を出し、ひとまず努力をしていることに満足して、気を紛らわせていたような気がするのです。でもきっと、これからより深い人生へと一歩踏み込むために、必要なのは新しいスキルではなく、覚悟だけなのです。

中曽根氏の上記の言葉には同意で、私も自分が生涯をかけて完成させる芸術作品は「自分自身」と思って修養に努めてまいりましたが、どうも近年グダグダになりかけていました。なんだか今日は妙に反省に満ちた時間を過ごしたのでした。


次は町田の旧白州邸である「武相荘」です。美術鑑賞サークルの人と春になったら行こう、と約束していたのにお先にすみません。

白州次郎は日本人に見えないほどのダンディーさでかっこよすぎます。どうも同じ留学経験のある正子さんとは時々英語で話していたのではないかと推測されます。次郎が作った木製のケースには、

Hope she will be more tidy!

と書かれておりました。次郎はやたら「プリンシプル」にこだわったとされますが、他者から押しつけられた価値観ではなく、自分で選んだ「プリンシプル」を生きることに意味があります。受験社会に慣れてしまうと、自分の外側に絶対的に正しい答えがあるような世界観が構築されがちですが、現実には誰にも共通の正答などはないということを肝に銘じ、勇気を持って自分の考えを実行するより他はありません。かっこよく生きようぜ!


最後は何かと話題の鳩山首相に関連して、文京区の鳩山会館


ステンドグラスの素敵な洋館でした。

鳩山家の家紋「尻合わせ三つ結び雁金」がとってもキュートです。バラの時期にお庭を散策するのもよいかもしれません。

単に自分の見たことのない場所に行ってみたい、という従来ながらの「ひたすら経験を増やす旅」ではありましたが、意外な収穫があったのでした。